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2020年3月12日木曜日

”光の三原色と植物の生理、LED人工照明とヘヤリウム”





植物の代謝運動には、おおまかに光・二酸化炭素・水が必要とされています。
そのなかの「光」をピックアップして、ここにメモしていきたいとおもいます。


※前回のトピックと重複する部分がありますが、もう少し咀嚼した内容となります





「植物は、光の数値を選択的にうけとって成長運動をおこなっている」




この一文を目にしたとき、私は生まれた時から目にしている光について何も定義できないことに気がついてしまいました。


光とは一体なんぞや、と。



出だしからいきなりエアポケットにはまった私は刹那の虚無、徒然坊主


今の今まで、ともすれば光以外の様々なモノの原理を理解せぬままにいたにも関わらず、まるで表層のうわっつらを、大手を振ってするすると嘯くように滑っていただけなのではないかと、嘆く、刹那、云々。

私は急いでパソコンを立ち上げ、とりあえず光についてgoogle先生に尋ねてみました。

すると、こんな答えが用意されていました。

「光とは電磁波です。」

なんのことだかさっぱりわかりません。

なので、もう少し深く潜ってみました。

どうやら、、、
宇宙は暗黒物質などという得体のしれないモノが大半をしめており、そのなかにぽつねんと浮かぶ太陽から、地球には電磁波が届いているのだそうです。

その電磁波は、地上にはわずかしか届かない宇宙線やらガンマ線、エックス線、紫外線とつづき、おおよそ360-400nmから760-830nm(紫→青→緑→黄→橙→赤)の間の波長が、可視光(目に見える光の波長)として認識できるのだそうで、それらの電磁波がいっせいに、絶え間なくながれ続けているみたいです。

wiki参照
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E8%A6%96%E5%85%89%E7%B7%9A


それ以降、赤外線や遠赤外線などという波長が照射されているようですが、ここでは可視光と植物の関係を進めたいとおもいます。


               ガンマ線から遠赤外線図 画像転用



光と電磁波の関係がわかり、ようやく「光の周波数(数値)を選択的にうけとる」の意味がわかりました。

そして植物の葉緑素で、主に光合成に必要とされている波長は660nm近辺の赤色で、形態形成に必要とされる波長は450nm近辺の青色だそうです。

極端な話、植物はこの二つの波長さえあれば生命活動を維持できるようです。



では、赤と青を重視する植物の生理ですが、他の周波数を一体どのように扱っているのかと疑問が浮かびました。

光の三原色は赤緑青(以後RGB)。

この三色の調光のバランスで、目に見える全ての光の色が表現できるようです。

そして、一般的にその色がわたしたち人間に見えうる限界の電磁波(光)の色です。

私たちが毎日のように目にしている昼の白色をした太陽光を分解すると、やはりRGBのあいだの光の色が含まれているみたいですが、例えばその証拠に葉っぱの色が緑色に見える、らしいです。

もう少し噛み砕くと、暗闇ではなにも見えないし、赤い光の中では全てが赤く見える。

しかし、RGBが存在する白色(RGB光を同量照射すると、白色の光になる)の光の中では、色々な物が、様々な色に見えるわけですが、それは葉っぱが緑色をしてるからではなく、白色の光のなかに含まれる緑色の光を、葉っぱは反射する性質をもっているので緑色に見えるのだそうです。

思い込みが一つくつがえされました。

肉眼で見ている物質の色とは、その物質が保有しているのではく、その物質が反射する光の色を肉眼で受信しているので、緑色の葉っぱは赤と青の光を吸収し、緑色の光を反射(ストレスか受容)することが目的だとよみます。



                光の三原色 イラスト 画像転用




様々な企業や大学ではすでに発光ダイオウド(以下LED)を利用した植物の栽培や実験をしておりますが、日常的にそのような場所(情報)とは縁がないので、LED人工照明を自作して実際のスペックと植物への影響を観察してみることにしました。

初めに制作したモデルは5mm3元系LED、660nm17発と630nm12(赤色近辺)、そして470nm6(青色近辺)を均等に配列したもので、赤と青のLEDの数はそれぞれのカンデラ比をより近い数値にあわせた結果です。

今や詳細は不明ですが、照度は至近距離で約20,000lux生命維持においては問題なさそうですが、太陽光が100,000luxと考えると陽生植物が健全な代謝をうながすにはものたりないような気がします。

その後いくつか制作し、現在の照明が以下の画像です。


         Sony NEX-5/CarlZeiss Jena DDR Tevidon 16mm f1.8


       Sony NEX-5/CarlZeiss Jena DDR Tevidon 16mm f1.8

電源電圧DC24v 3.75A
LED660nm[赤] 2.3v 60mA ×252発
LED450nm[青] 3.1v 20mA ×56発
総電流 1.84A
総電力 5.152w


実測照度最大値

100 mm      65,000lux
200 mm      45,000lux
300 mm      35,000lux
400 mm      27,000lux
500 mm      21,000lux
600 mm      17,000lux
700 mm      12,600lux
800 mm      10,000lux
900 mm        9,200lux
1000 mm      7,400lux


※補足
300発強のLED(約5w)を半田付けしていると途方にくれて疲れてしまうので、ハイパワーLED(一発で3w)での制作をお勧めします。

加えてLED一発の放射強度も高いので、距離に対するロスも少ないと思われる。



このように、660nm(赤)450nm(青)の二色が混ざるとピンクになるのですが、色彩がつらいです(主観)。

いくら植物にとってピンクが必要だといえど、この昭和のストリップ感(主観)がどうにもおちつきません。

部屋の一部がずっとピンク的な色に照らされて、なんだかこっちまでピンク的な気持ちになりそうでならない(主観)。

そんな状況はモヤつくし(主観)、間違えて私が植物にピンク的な感情がわいてしまっても(主観)、逆に植物が私にピンク的な好意をむけるような事態になっても(妄想)、どうしていいかわからなくなるし(悲惨)、困る(パラノイア)

それは一大事なので、光のかたよりを正常化できたら万事が平和的解決で収束するのではないかとおもい、実はこの照明の両端には緑色の光源をまぜたのですが、出力が低すぎたせいでその甲斐も反映されないといった空しい結果となるのでした。

ということで課題を残したこの照明ですが、エネルギー効率を重視したLEDには、無駄を削って要点を抽出できるメリットがあります。




しかし、植物も生き物です。 


選択的に必要な周波数だけが照射でき、効率的に植物の育成を観察するためにLEDを使っているわけですが、植物にとって、それは一体どのような状態なのだろうか。

ここで「生物においての健全な環境」というものをここで考えなおしてみました。



さて、生物にとっての健全な環境とは一体どういうことでしょうか。


これを定義するために二つの逆説をあててみました。

①.雨風などのストレスをしのげて、必要なときに必要な質量のエネルギーが手に入る安全な環境
②.選べない環境のなかでもまれ、生きるために変移を余儀なくされる環境

いわゆる温室そだち。

致死率は低いけど軟派に成長しそうな観がありますね。

可なりワイルドそだち。
たくましく成長しそうですが、いつ死んでしまってもおかしくないですね。

こうして見ると、育成する立場からするとなんだかどちらも正解とは言いがたいです。

わが子を守りたいがための安全な環境づくりとは、裏を返せば成長という意味での通らなければならない重要なストレス体験を排除する結果になりかねない。

そうかと言って、死なない程度の安全は確保しなければならない。

そう考え、答えを①と②のあいだということにして、生物が健全に生きるということのなかには無駄やストレスも含まれるのではないかと考えました。

雨風が吹けば細胞を刺激して肥大を促し、気温が下がれば体内の糖度を高め、乾けば気孔を閉じるといった機能の行使を強いられる。

それが生物の健全な成長ということをひとつの答えとし、理論的に不必要だとされている緑色の光にくわえ、紫外線と赤外線もくみ込んで地球にふりそそぐ光を時間軸にそって擬似的につくりあげることをテーマに考えていこうかとおもいます。


最終的には、屋外で風が吹けばこの室内にも相応の風が吹き、雲が発生すれば雨が降る。

そのような、地球環境を疑似的にシュミレーションした部屋、名付けて「ヘヤリウム」を実現させることができるよう努めてまいりたいと思います、仕事の合間に。。。


長生きしないといけませんね。。。